2013年6月7日

絶滅が懸念されるのは鯨ではなく鯨捕り

鯨の解体 夏にミンククジラを20~30頭 冬はタラを捕る (Marcus Bleasdale/National Geographic)

ナショナルジオグラフィック誌6月号が「最後のバイキング鯨捕り」というタイトルで、北極圏に位置するノルウェーのロフォーテン諸島のルポを掲載している。ノルウェーは日本と並ぶ捕鯨大国だが、この国の捕鯨は今や斜陽産業だという。鯨が減ったからではない。ましてや捕鯨をめぐる複雑な政治背景のせいでもない。鯨捕りになりたがる若者がいないというのだ。ノルウェーの捕鯨船はシーシェパードに破壊されたこともある。しかし衰退の原因は反捕鯨運動の影響より、むしろ経済的、社会的な要因のようだ。捕鯨は、元手がかかるが見返りが少ない。首都オスロのしゃれたレストランに鯨のステーキがあっても、鯨肉には大恐慌時代の食べ物、自然保護に反する食材といったイメージがあり、食料品店では冷遇されがちなのだという。ワシントン条約で取引の規制対象に指定されたこともあり、鯨肉の輸出先は事実上ないに等しい。鯨より先に鯨捕りがいなくなりそうだ。北欧の捕鯨の写真は観る機会が少ないのでシェアすることにした。

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