ソーシャルメディアの弊害（18）X はなぜサイバー攻撃を受けたのか

誰がどのような目的でサイバー攻撃をしたのか

かつて Twitter と呼ばれていたソーシャルメディアプラットフォーム X が大がかりなサイバー攻撃の標的になった。経営者のイーロン・マスクは「X に対する大規模なサイバー攻撃があった私たちは毎日攻撃を受けているが、これは多くのリソースを使って行われた。大規模で調整されたグループ、または国が関与している」と語ったという。カナダ、米国、ヨーロッパ、アジアを含む世界中のソーシャルメディアユーザーが、月曜日の朝にプラットフォームの読み込みが遅いか、完全にアクセスできないと報告している。マスクは障害について「ウクライナ地域」で発生した「大規模なサイバー攻撃」が原因だと主張したものの、その根拠は示さなかった。国家やそれに関する者による攻撃と認識しているのかにも触れなかった。ご存じの通りマスクはかねて、ウクライナやウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を重ねて批判してきた。イギリスの公共放送 BBC ニュースによるとマスクは1アリゾナ州選出のマーク・ケリー上院議員（民主党）が週末にウクライナを訪問し「ウクライナ国民を見捨てることはできないと証明された」と X に投稿したのに対して「裏切者」と投稿した。

ソーシャルメディア X のロゴ

これに対してケリーは「イーロン、自由を守ることこそ、アメリカを偉大にして私たちの安全を守ってくれる基本理念なのだと、あなたが理解していないなら、それを理解している我々に任せた方がいいのではないか」と反論したのである。フランスのル・モンド誌電子版によると、マスクは証拠は示さなかったものの、昨年、ドナルド・トランプのインタビューがストリーミングされようとしていたときにサイトをクラッシュさせたサイバー攻撃を非難した。ドナルド・トランプがマスクに委託した政府効率化省（DOGE）に対する抗議活動や、電気自動車会社テスラの店舗が破壊されたことをうけ、サイバー攻撃がマスクに対する新たな敵意の爆発を示唆していると指摘している。誰がサイバー攻撃の動機を持っているのか。今のところ、謎は未解決のままであるが、ひとつ確かなことは、これは単なるシステムの不具合ではないということである。下記リンク先はニュースチャンネル CNN の「イーロン・マスクの X が大規模なサイバー攻撃と主張する障害に見舞われる」である。

  Elon Musk’s X hit by waves of outages in what he claims is 'a massive cyberattack' | CNN