2025年3月5日

何故ドナルド・トランプはクレムリンとの連携を目指すのか

New world order.

ドナルド・トランプは、ロシアではなくウクライナが戦争を始めたと発言。ウォロディミル・ゼレンスキーを独裁者と呼んでいるが、ウラジーミル・プーチンはそうではないという。わずか1か月余りでトランプは驚くべき外交政策の再編を実行しジョー・バイデンが築いてきたキーウとの緊密な同盟関係を拒否した。この異例の方針転換は、ますます分断が進むアメリカにおいて稀な超党派の合意を生み出してきた、何十年にもわたる対ロシア強硬外交政策を覆すものとなった。トランプの最近の動きは国際的な注目を集め、ヨーロッパのアメリカ同盟国を動揺させ、ゼレンスキーからの離脱を支持する保守系ポピュリストを興奮させている。この新たな姿勢は、2月28日、トランプとゼレンスキーの緊迫した執務室での会談ではっきりと浮き彫りになった。同席した J・D・ヴァンスがロシアのウクライナ侵略を巡って「平和と繁栄への道は外交に関与することだ」と語り状況が一変したからである。両首脳は報道陣の前で衝突し、ロシアがヨーロッパで第二次世界大戦以来最大の紛争を開始してから3年以上が経った今、ウクライナに対するアメリカの支援の将来について疑問を投げかけた。アメリカ当局はここ数週間、ロシアに対するより協力的な姿勢を示唆するような一連の政策変更を行った。ホワイトハウスはウクライナへの軍事援助の一時停止を命じた。そしてパム・ボンディ司法長官は就任初日に、ロシアのオリガルヒの資産を押収する取り組みを解散し、バイデン政権時代の「タスクフォース・クレプト・キャプチャー」や「クレプトクラシー資産回収イニシアチブ」と呼ばれるプログラムを解体した。別の指令では、ボンディ長官は、ロシア、中国、その他のアメリカの伝統的な敵対国によるアメリカ政治に分裂をもたらそうとする秘密の影響力行使に対抗するための連邦法執行機関の取り組みを停止するよう命じた。トランプはロシアとの関係をリセットして改善したいと長らく公言してきた。クレムリンと「仲良く」することが国益であり NATO やヨーロッパ連合を含む第二次世界大戦後の世界安全保障体制の中核部分の価値に疑問を投げかけるべきだと繰り返し述べてきた。

J.D.Vance

ドナルド・トランプとロシアのウラジミール・プーチンは2018年にヘルシンキで会談した。 トランプは、ロシアに屈服していると非難する民主党員やその他の批評家らに反論した。トランプは「私はプーチンとは同調していない。誰とも同調していない。私はアメリカ合衆国と同調している。そして世界の利益のために、私は世界と同調している。そして私はこれを終わらせたいのだ」とロシア・ウクライナ戦争について語った。 就任から数週間、トランプはロシアの侵攻に責任があり、戦争を「始めた」のはウクライナだと示唆し、クレムリンのお決まりの論点を繰り返している。トランプのアプローチは、旧ソ連との冷戦からプーチンの台頭までを網羅したアメリカの対ロシア外交政策からの劇的な転換だ。共和党、民主党を問わず、歴代アメリカは、勢いづくロシアの脅威に対して、より好戦的な姿勢を示すのが通例だったからだ。民主党と反トランプ派の共和党評論家らは、執務室での会談以来、政権を厳しく批判し、トランプが事実上ウクライナを売り渡したと非難している。トランプは自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」への投稿で自らを弁護し、ウクライナの大部分を無傷のまま維持するのに貢献したと主張した。しかしウクライナに関しては党派間の分裂がある。ギャラップは最近、民主党支持者の84%がウクライナに対して好意的な見方をしているのに対し、共和党支持者の世論調査では54%にとどまったことを明らかにした。トランプとゼレンスキーの口論を受けて、共和党議員の一部はウクライナを擁護したが、一方でルイジアナ州選出のマイク・ジョンソン下院議長やサウスカロライナ州選出のリンジー・グラハム上院議員を含む大半の議員は、ゼレンスキーは辞任せざるを得ないかもしれないと述べた。ドナルド・トランプも、そしてウラジーミル・プーチンもそれを望んでいるだろう。下記リンク先のビデオは2月28日、ホワイトハウスで応酬を繰り広げるウォロディミル・ゼレンスキー、ドナルド・トランプとJ・D・ヴァンスです。

YouTube Watch tense Oval Office argument between Zelensky, Trump and Vance | CNN (10:41)

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