2024年8月14日

ドナルド・トランプが「ジョー・バイデンは今では IQ が全くないかもしれない」と過激暴言

Trump and Musk on X
Donald J. Trump & Elon Musk on X/Twitter

ニューヨークポスト紙デジタル版によると、共和党の大統領候補ロナルド・トランプ前大統領と実業家のイーロン・マスクが現地時間8月12日、X(旧ツイッター)で公開対談した。トランプはジョー・バイデン大統領のロシア政策をぶった切り「この大統領は IQ が低い、非常に低い。ちなみに30年前も IQ は低かったが、今では IQ が全くないかもしれない」と過激発言をした。過去にも「ジョー・バイデンの IQ が低い」と侮辱したことがある。 またトランプはバイデンが「ウクライナが NATO 加盟国になる可能性がある」と発言したことを特に批判し、バイデンの発言がなければプーチン大統領はウクライナに侵攻しなかっただろうと主張した。 そしてカマラ・ハリス副大統領を「三流のニセ候補者」と呼び捨てたのである。まことに口汚い批判で、どう考えても大統領候補にはなり難い人物である。その根底には、バイデンが次期期大統領選から撤退、ハリスを押したことで風向きが変わったことにある。バイデン相手なら「ほぼトラ」すなわち「ほぼトランプが当選」と思われたが、参入宣言でハリスの支持が急速に広がったのである。最近の世論調査では、カマラ・ハリスとロナルド・トランプの支持率が拮抗、わずかに前者の数字が上回るという結果が出ている。内心ただならぬ心境で、その焦りがおよそ大統領候補にふさわしくない、バイデン、ハリスへの下品な罵詈雑言となったのだろう。

Trump vs. Harris

ところでJ・D・バンスの『ヒルビリー・エレジー』(田舎者の哀歌)は製造業が衰退したラストベルト(錆ついた工業地帯)の一角の、オハイオ州の貧困家庭で育った生い立ちを綴った自伝的小説で、ベストセラーになった。 そしてトランプの支援を受けて2022年の上院議員選で初当選、トランプを熱烈に支持する「MAGA(Make America Great Again = アメリカ合衆国を再び偉大な国にする)」の急先鋒として知られるようになった。トランプはこの著書を参考にラストベルトの復興を訴え、2016年の大統領選に共和党から出馬して当選した。11月のアメリカ大統領選で4年ぶりの政権奪還を狙う共和党の全国大会が7月15日、中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで開幕し、ロナルド・トランプ前大統領を党候補に指名、J・D・バンス上院議員を副大統領候補にした。しかしヴァンスはカマラ・ハリス副大統領などを名指しで「惨めな人生を送る子供のいない猫好きおばさん」という過去の発言が明るみになったからだ。旧来の自動車産業は電気自動車と対峙する存在と思われた。トランプは実業家である。バイデン政権が注力する電気自動車の普及を後押しする政策を繰り返し非難しているが、最近は風向きが変わったようだ。もしトランプが大統領に返り咲けば、イーロン・マスクのテスラに恩恵を与える可能性があると指摘されている。トランプは実業家である。今回の公開対談に象徴されるように、イーロン・マスクを悪友、いや盟友として扱いつつあるようだ。繰り返しになるが、世論調査によるカマラ・ハリス対ロナルド・トランプの支持率は僅差である。選挙戦はこれから、蓋を開けてみないと分からない。

election2024  2024 Presidential Election Polls: Kamala Harris vs. Donald J. Trump | FiveThirtyEight.com

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