2024年1月23日

オンライン翻訳ツールの実力を比較する

Nick Adams Stories by Ernest Hemingway

簡潔な文章で知られるアーネスト・ヘミングウェイ(1899–1961)の短編集『ニック・アダムズ物語』の電子版を紐解いてみた。ニック・アダムズはヘミングウェイの分身で、物語はいわば伝記的小説集といえる。年代順に作品が並べられていて、ヘミングウェイの成長記録にもなっている。その中の "Big Two-Hearted River"(ふたつの心臓の大きな川)の一節を、数種のオンライン翻訳ツールで訳してみた。普段はウェブブラウザ Chrome の拡張機能 Google 翻訳の世話になっているが、実力を比較してみたくなったからだ。

Nick looked down into the pool from the bridge. It was a hot day. A kingfisher flew up the stream. It was a long time since Nick had looked into a stream and seen trout. They were very satisfactory. As the shadow of the kingfisher moved up the stream, a big trout shot upstream in a long angle, only his shadow marking the angle, then lost his shadow as he came through the surface of the water, caught the sun, and then, as he went back into the stream under the surface, his shadow seemed to float down the stream with the current, unresisting, to his post under the bridge, where he tightened, facing up into the current.
Google翻訳
ニックは橋からプールを見下ろしました。 暑い日でした。 カワセミが川を上っていきました。とても満足のいくものでした。ニックが川を覗いてマスを見るのは久しぶりだった。カワセミの影が川を上っていくにつれて、大きなマスが長い角度で上流に向かって飛び、彼の影だけが角度を示し、水面を通って太陽を捉えたときに影を失いました。 彼は水面下の流れに戻り、自分の影が流れに乗って、抵抗することなく橋の下の持ち場まで流れを下っていくように見え、そこで彼は流れに向かって体を引き締めた。
DeepL翻訳
ニックは橋の上からプールを見下ろした。暑い日だった。カワセミが小川を遡上していった。彼らはとても満足していた。ニックが小川を覗いてマスを見るのは久しぶりだった。カワセミの影が上流に向かうと、大きなマスが長い角度で上流に向かい、その影だけがその角度を示していた。そして、水面を抜けて太陽に当たると影を失い、水面下の流れに戻ると、その影は流れに乗って、抵抗することなく橋の下の自分の持ち場まで流れていくように見えた。彼は潮流に向かって顔を上げながら、体を締め付けた。
Weblio翻訳
ニックは、橋からプールに見下ろしました。暑い日でした。カワセミは、流れの上に飛びました。ニックが流れを調べて、マスを見た時から、長い間でした。彼らは、非常に満足でした。カワセミの影が流れを上がったので、彼が水面(太陽をあてられる)を通り抜けたので、それから、長い角度(角度を記録している彼の影だけ)で上流で撃たれる大きいマスは彼の影を失いました、そして、それから、彼が表面の下に流れに戻ったので、彼の影は流れで流れを下って流れるようでした。そして、流れに直視して、彼が締まった所で、橋の下の彼のポストに、unresistingしました。
Bing翻訳
ニックは橋の上からプールを見下ろした。暑い日でした。カワセミが小川を飛んでいきました。ニックが小川を覗き込んでマスを見たのは久しぶりだった。とても満足のいくものでした。カワセミの影が流れを遡上すると、大きな鱒が長い角度で上流に向かって飛んでいき、その影だけが角度を示し、水面を通り抜けて太陽を捉え、水面下の小川に戻ると、その影が流れに乗って流れに浮かんでいるように見えました。 無抵抗で橋の下の持ち場に向かい、そこで彼は潮流に身を任せた。
谷阿休訳
ニックは橋の上に佇んで深みをじっと見下ろしていた。暑い日だった。翡翠(かわせみ)が一羽、流れを溯って飛んでいった。流れと鱒を目にするのは本当に久し振りのことだった。まったく惚れ惚れするような鱒たちだった。翡翠の影が流れの上を走ると、一匹の大きな鱒がそれをゆるやかな上昇角度を保ちつつ上流へ疾走した。川底に映る影で、その鱒の動きが知れた。やがて水面が割れ、影は失せ、鱒が陽の光に煌めいて現れた。水中に鱒が戻ると、影が流れに身をまかせるように漂いながら、橋の下の元の位置に帰り着いた、そこで鱒は身を引き締め、再び水流に鼻先を向けて静止した。(朔風社『ヘミングウェイ釣文学全集・上巻・鱒』1982年)
高見浩訳
ニックは橋の上から淵を見下ろした。暑い日だった。一羽のカワセミが水面をかすめて上流に飛んだ。川を見下ろして鱒を目にするは、久しぶりだった。どれも文句のつけようのない鱒だ。カワセミの影が水面を走ると、底にいた一匹の大きな鱒がゆるやかな角度で上流に飛び出した。その影の動きで、上昇している角度がわかった。ほどなく鱒は水面に躍りあがり、影が消え、陽光に魚身がきらめいた。次の瞬間、鱒がまた水中にもぐると、その影は流れに逆らわずに下流に漂って橋の下の定位置もどった。そこでその鱒は、身を引き締めて流れに面と向かった。(新潮文庫『ヘミングウェイ全短編・われらの時代』1995年)

オンライン翻訳と書籍の邦訳と比較するとどうだろうか。前者はいずれも完璧な日本語になっていないが、これは仕方ない。私見ではニューラル機械翻訳の DeepL が比較的優れていると思うが如何だろうか。機会を改めて、日本語からの英訳の比較も試してみたい。

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