平清盛(左)と阿古屋の宝塔 六波羅蜜寺(京都市東山区松原通大和大路東入る)
文楽新春公演(画像クリックで拡大) |
三段目口の堀川問注所の場、すなわち「阿古屋琴責の段」は、平家の残党悪七兵衛景清の行方を探す鎌倉方の畠山重忠が、五条坂に住む愛人の傾城阿古屋を捕えて景清の所在を問いただす。阿古屋が知らぬと申し開きしたので、琴、三味線、胡弓を弾かせて詮議する。その音色が乱れていないことから、ウソをついていないことを知り釈放するという話。文楽では三曲を三人の奏者が演奏するが、歌舞伎では身代わりができないので、一人の役者が三つの楽器を弾きこなす必要がある。坂東玉三郎が有名だが、まだ観たことがない。しかしその玉三郎と確執があったと噂される六代目中村歌右衛門の阿古屋を撮影したことがある。確か京都の南座だったと記憶しているが、舞台下だったので、その迫力ある演技は今でも脳裡に残っている。ところで六波羅蜜寺の本堂の南側に阿古屋の供養塔がある。鎌倉時代中期に造られた花崗岩の石造宝塔で、台座は古墳の家型石棺の蓋が代用されているが、隣の平清盛の宝塔よりどっしりしているのが面白い。なお「壇浦兜軍記三段目阿古屋琴責」のKindle版は99円で購入できる。私はアマゾン電子書籍リーダーを持っていないので、アプリを使ってグーグルのタブレットNexus7で読んでみた。視認性は劣るかもしれないが、様々な用途に使えるので、今はKindleに食指を伸ばさないことにしている。
壇浦兜軍記 三段目 堀川問注所の場 ─ 阿古屋琴責 ─ (日本古典文学電子叢書) [Kindle版]
0 件のコメント:
コメントを投稿