2018年1月27日

アナログレコード針の寿命を考察する

DENON Magnetic Cartridge

アナログレコード(ビニール盤)用の針には寿命があって「ダイヤモンド針の場合は200時間が盤にダメージを与えない使用時間」と某オーディオ用品販売会社のサイトは説明している。この寿命は一般家庭の埃を想定したテスト結果で、埃の極端に少ないクリーンルーム内での寿命は600時間を越えるという。レコード針の寿命に関しては Yahoo! 知恵袋でも質問があり「ダイヤモンドの針が減るというメーカーの喧伝に騙されてはいけませんよ。私は30年前のをそのまま使用していますよ」という回答がありちょっと驚いた。私はレコード盤と針が物理的に接触するので、その双方が摩耗すると思っていたからだ。レコード盤の材料が塩化ビニールなので、音溝が瞬間的に変形するけれど、時間と共に回復復元するという。従って同じ盤の連続演奏を避ければ、かなり長い寿命を保つようだ。一方、針の寿命だが、やはり30年も使えるというのは流石に信じがたい。ただダイヤモンドはガラスを切断する道具に使われるくらいだからかなり硬く、塩化ビニール製の盤をトレースしても劣化しないという説があるようだ。シェルターという日本のカートリッジメーカーがあるが、かつての Q&A コーナーに「カートリッジの寿命は?」という質問があり、回答は次のようなものだったそうだ。
現在シェルターで使用しているカートリッジの針は、ダイヤモンドです。この為、針が磨耗して再生音に変化を来たすことは、使用条件にもより多少の差はあるものの、あまり考えられません。 むしろ、振動系を支えているダンパーのゴムや、サスペンションワイヤーに、経年変化が発生するようです。 結局は全体のバランスですから、あくまでご本人の聴感で判断されることになります。また、針圧を春夏秋冬で、プラスマイナスしてやる(夏は少なめ、冬は多め)のは、振動系の部品の寿命を延ばすことになります。
つまりダイヤモンド針の摩耗は無視できるという見解である。しかし永久使用に耐えるとは俄に信じがたい。相反する二つの意見に遭遇すると、オーディオマニアでない浅学ゆえ迷ってしまう。それではと海外メディアに目を向けて The Vinyl Factory の「針はいつ交換すのか」を読んでみた。交換時を知る完璧な方法はないが「高音が弱くなったり、歪んでいないか? シンバルの金属音はクリアーに聴こえるか? ボーカルの盛り上がりに欠けていないか?」という点に注意すべきだという。どうやら音質劣化の原因はレコード盤の音溝に付着したゴミが、結果的に針の損傷を招くようだ。従って針とレコード盤をまめにクリーンアップすれば、演奏時間に関係なく寿命がかなり延びるということである。なお市販のレコード針洗浄液の大多数がアルコールを含んでいて、針及びレコード盤を痛めるので、ノンアルコールのものを探して使ったほうがベターのようだ。というわけでいささか頼りない、レコード針の寿命を結論できない駄文となってしまった。

YouTube  Vinyl FAQ : When should I change my needle?(針はいつ交換すればいいの?)

10 件のコメント:

  1. 私はレコード用のブラシは微細炭素繊維のものを使っていますが、一昔前のブラシと比べるとずっと綺麗になり、雑音も少ないです。酷いものは石鹸水と筆で洗い、水道水で流して乾かします。すぐわかるほど、雑音が減ります。

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    1. 私も針のゴミはブラシで落としています。落ちにくい場合は、時々ノンアルコールのクリーナーを使っています。確かに石鹸水あるいは水道水で良いのかもしれません。なお、古いレコードの音溝についたゴミを取り除く決定的な方法はないような気がします。

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  2. 誤解があるといけないので捕捉。最初のコメントで書いたブラシや石鹸水と筆の話は、レコード盤の洗浄法で、針先は通常は指先で擦るだけです。時々マイクロファイバーで擦るかな。盤を綺麗にしておけば、針はたいして汚れないように思います。

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    1. 石鹸水と筆の件は針先のことかと思ってしまいました。酷い汚れのレコード盤に木工用接着剤を塗り、乾いたら剥がすという、いささか乱暴なことをしたことがありますが、水洗いは思いつきませんでした。

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  3. 石鹸水での水洗は効果的です。皿洗いスポンジに付ける洗剤もいけます。筆は、溝の底までよく濡れるように、溝に沿って撫ぞります。レーベルをできるだけ濡らさずに、また乾かすときもレーベルを擦ったりしないように、ちょっと注意しないといけません。これを補助する器具も売っているようです。

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  4. 歯間ブラシで注意深く針を擦るとびっくりするほどきれいになることを、このたび発見しました。

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  5. 追伸です。針を埃の付着から守れば10年以上使えると思います。実際私はそのようにして10年前の針をまだ使っています。東急ハンズで買ったハンディな顕微鏡で針の状態を確認していますが、新品の針と比較して形状に何ら変化はないように思います。厳密に言えば、音は新品の針のほうがよいような気もしますが、これは気のせいかもしれません。とにかく歯間ブラシを針を奥から手前に引けば10年以上使えるのではないでしょうか。

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    1. 助言ありがとうございます。早速試してみます。

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  6. 再度の追伸です。私はこの10年間、週に6時間(年間300時間以上)レコードを聴いてきましたが、前回述べた通り、10年前の針も使えます。針はオルトフォンの540です。ただ、2年に1回、針(オルトフォン540)を購入し交換してきました。一番新しいものは4月になって購入したものです。これにより現在は6個の針を所有し毎週1個ずつローテーションで使用しています。すべて使用可能でレコードを聴くうえで大きな問題はありません。しかし、やはり新しい針はよい音です。古い針と比較したとき、新しい針は高音低音のバランスがよく、ベースやギターなどに躍動感を感じます。古い針は全体に高音寄りの音で、低音が不鮮明に感じます。サックスソリではバリトンサックスの音が聴こえにくいと感じます。しかし、針の形状は拡大鏡で見ても変わりません。それではどこが違うかといえば、カンチレバーの角度です。結局、古い針ではカンチレバーの弾力が失われ、へたっているということかもしれません。レコードの音の再現にこだわる必要がなく、聴ければよいというのであれば、針先の埃をレコード演奏が終わるごとにきれいにすれば、10年20年使えるように思います。針の寿命は極めて興味深い問題ですので、長く書いてしまいました。お許しください。

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    1. ありがとうございました。針先が摩耗していなくても音質が落ちのは、カンチレバーを支えているサスペンションなどが劣化するからでしょうね。従って針先は減ってなくとも、一定時間が経過したら針の交換が必要ということになり、永久使用は無理ということですね。

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