2016年9月5日

日本で捕獲されたイルカがロシアの水族館に

安倍首相と朴槿恵大統領を案内するプーチン大統領 ©РИА Новости/Алексей Дружинин

完成したロシア沿海地方海洋水族館
最近は怒りのアンテナの感度が鈍ったせいか、安倍首相が何処の国に出かけ、何を喋ろうが関心を持たなくなってきたが、9月4日付の読売新聞電子版の「露唯一の国立水族館で首相『イルカも日本から』」という記事はちょっと気になった。ウラジオストクに建設された沿海地方海洋水族館開館式に3日、ロシアのプーチン、韓国の朴槿恵両大統領とともに出席し、水族館建設に日本企業の技術が導入されたことを説明して「水族館で活躍するイルカも日本から来たものだ」と自慢したという。ロシアは北方領土問題に歩み寄りを見せ、歯舞群島と色丹島返還に関し柔軟な態度を取り始めているそうである。何とか返還の約束を取り付け、それを手柄にして人気浮揚を狙う安倍首相は、イルカであれ何であれ貪欲に利用したいのだろう。水族館の巨大な窓に使われる分厚いアクリルパネル製造は日本の得意技術である。ショーのためのプールがあり、そこで「芸」を披露するイルカは日本から輸入、とのことなら、和歌山県の太地で捕獲されたイルカだろう。ベルーガはロシアの近海、北極海で獲った可能性があるが、ゴンドウクジラは何処からだろう。同水族館の公式サイトには詳しい説明はない。水族館における海洋哺乳類の展示やイルカショーは世界の環境運動団体から強い批判を浴びている。欧米では野生捕獲のイルカ類の展示が例外的となっている。プーチン大統領は同じく極東沿海地方に棲息するアムール虎の保護に熱心なことで知られるが、海洋哺乳類についてどう思っているか知りたい。ロシアのニュースサイトを数か所訪れてみたが、この点の記述は見つからなかった。なお同水族館の公式サイトにはロシア語の他に英語版もあるので、興味のある方はアクセスすることをお勧めしたい。

WWW  ロシア沿海地方海洋水族館「Primorsky Aquarium」公式サイト(英文)

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