2016年7月7日

ブルーレイディスクオーディオへの躊躇い

音楽CDとBDの再生可能な音の範囲の比較(©Blue-ray Disk for Audio

ブルーレイディスクのロゴマーク
人間の可聴上限周波数は年齢とともに低下、成人では耳の良い人で15kHzくらい、普通は13kHz辺りで聴こえなくなるという。音楽CDが22.05kHz以上の周波数成分を記録していない理由はこれにある。しかし例えば弦楽器の場合、弦の長さと張力で決まる基音に加え、その2倍音、3倍音という高調波が重なることにより、その楽器特有の音色が出る。これがCD批判の根拠になり、ハイレゾ音源評価を牽引している。図はCDとBD(ブルーレイディスク)を比較したものだが、これを見るとBDは96KHzまでカバーする。従って自ずとBDに注目してしまう。しかし現状を俯瞰すると音楽BDはタイトルが極めて少なく、CDの焼き直しが多いのも気になる。ハードウェアを含め、需要があればタイトル数は増えるはずだが、そうはなっていないようだ。CDを超える高音質ディスクといえばSACD(スーパーオーディオCD)を思い出すが、呼応したハードウェアが必要で頓死してしまった。その点、BDは確かに再生装置が身近に普及している。我が家にも録画用のBDレコーダーがあり、BDも再生できるが、音声はテレビの液晶モニター内蔵のスピーカーから出るだけで、高音質とは言い難い。この点がブルーレイディスクオーディオ浸透を妨げている要因だと思われる。ホームシアター装置を完備しているならともかく、BDプレーヤーにオーディオを求めてる人は少ないのではないだろうか。高音質ということでBDプレーヤー導入を一瞬考えたが、もうひとつの落し穴に気付いた。BDの持つ高品位情報を活かすにはHDMI接続が必要で、同軸あるいは光デジタル接続では音質が劣化してしまうそうである。オーディオアンプにはHDMI入力端子がないので、導入するならAVアンプが必要になる。すでに2系統のオーディオ装置を持ってる私にとって、新たなシステムの追加に躊躇いを感ずるというのが正直な気持ちである。

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