2014年9月22日

スコットランド独立運動と大英帝国の残照

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英国からの独立の賛否を問うスコットランドの住民投票が今月18日に行われ、独立反対が賛成を上回り、スコットランドは英国にとどまることになった。独立賛成が44.7%に対し、反対は55.3%と、10ポイント以上の差だった。世界の関心を集めたきっかけは、今月上旬に行われた世論調査で、独立賛成が初めて反対を上回ったからだった。賛成派優勢の世論調査に危機感を強めた反対派が、最終盤で独立した場合の不安要素を繰り返し有権者に訴えたのが功を奏したようだ。ところで上掲の地図は投票前、アメリカのグローバルポスト紙電子版に掲載されたもので、英国から独立した国々を示したものである。これを見るとアメリカ合衆国以外は20世紀になってから独立したことが分かるが、その数の多さに改めて驚く。英国は正式には「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と称する。つまりグレートブリテン島のイングランド、ウェールズ、スコットランド、およびアイルランド島北東部の北アイルランドで構成されている。つまりスコットランドは1707年の連合法によってグレートブリテン王国が成立するまでは独立した王国であった。だから独立運動は併合前に戻す運動である。地図を眺めていると、大英帝国の残照を窺うことができる。

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