2014年8月23日

コスティカ・アクシンテのガラス乾板写真の魅力

Fetiță by Costică Acsinte (Constantin Axinte 1897–1984)

Innocence by Jane Long(クリックで拡大)
フリッカーに風変わりなカラー写真が掲載されている。ジェーン・ロングさんの「Dancing with Costică」というシリーズの1枚で、デジタル技術を駆使した合成写真だ。ロングさんの画像処理の品位の高さもさることながら、その素材がルーマニアのコスティカ・アクシンテのガラス乾板写真であることに特徴がある。上の写真がオリジナルである。実はフリッカーにはCommonsという歴史的に貴重な古写真をアーカイブするプロジェクトがあり、私はアクシンテのガラス乾板写真群に注目、見惚れていた。ネット検索したところ、日本語解説ページはヒットせず、ウィキペディアも英語、ルーマニア語、イタリア語版しかない。というわけで、日本ではまだ知られていないと言ってよいだろう。公式サイト「Costică Acsinte Archive」によると、ブカレストの操縦士学校を卒業したアクシンテは、第一次世界大戦が勃発するとボランティアの戦争写真家となる。復員後、写真スタジオを開設、ガラス乾板による撮影を1950年まで続け、その後はフィルムに切り替えたという。注目に値するのはガラス乾板で、なんと5000枚残っているという。その数に驚かされるが、技術的に優れていて、魅力ある作品群である。デジタル化のプロジェクトが昨年立ちあがったせいか、徐々に世界中の評価を受けるようになったようだ。ロングさんの合成写真がその象徴かもしれない。

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