2013年9月11日

仁王門草鞋が揺れる旅路かな

草鞋  本法寺(京都市上京区小川通寺之内上る)

旅立ちを描いたものだろう。左手に絵筆、右手で編み笠を持ち上げ、空を見上げている。本法寺塔頭教行院に寄宿した画家・長谷川等伯の像で、同じものが石川県のJR七尾駅前にもあるという。私は寺が所蔵する等伯の「佛涅槃図」を撮影したことがある。高さ10メートル、横幅6メートルもある大作で、収蔵庫が狭く、照明に苦労したことを思い出した。本阿弥光悦作とされる書院前の「三巴(みつどもえ)」の庭を拝観したあと、境内東端の仁王門に出る。「足がよくなりますように」と書いた草鞋が下がっている。足腰の老化を嘆いた切ない願い事だが、なぜか私は晴れ舞台を夢見て、能登から都を目指した等伯の旅姿を連想した。どうやら時間旅行に耽ってしまったようだ。千利休と親しくなった等伯は、ふたりで狩野派を批判したという。小さな石橋を渡り、小川通に出ると、裏千家今日庵の垣根が見えた。

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