2012年9月14日

英国製釣り用バッグの魅力


物欲は戒めなければならない。しかし物欲をなくしてしまうと、まるで仙人のようで、人間らしくなくなってしまうような気もする。最近はカメラを欲しいとは余り思わないが、カメラを入れるバッグはときどき新しいものを買いたくなる。何故だろう。洋服に合わせてハンドバッグを変える女性ほどではないが、カメラの種類によってバッグが違っても可笑しくはないだろう。タウン歩きに携行するのはもっぱら富士フイルムのX100だが、これまでは英国のビリンガム社のハドレースモールをもっぱら愛用してきた。かなり酷使してきたので、生地が色褪せ、買い換えることにした。おおむね横幅30センチのものを探すことにした。まず思いついたのはハドレースモールより一回り大きい5シリーズだった。大きさもW32*D22*H23センチとちょうど良く、カメラを保護する仕切り付きのインナーバッグがついている。しかし同じビリンガムなので変わり映えがしない。そこで釣り用バッグを物色することにした。

英王室御用達のハーディ社のバッグはどうかと調べたところ、横幅30センチというと、ベルトバックルがひとつのブルックバッグしかない。ポケットとベルトバックルがふたつずつあるタイプの一番小さいテストバッグは、横幅は38センチもあり大き過ぎる。そこで落ち着いたのがジョン・チャップマン社のトラウト・ベック12だった。大きさはW30*D10*H25センチでちょうど良い。ただし釣り用なので、カメラを保護するインナーバッグはついていない。ジョン・チャップマン社は釣り用バッグのメーカーとしては後発で、1980年代初頭創業である。しかし英国の正統派カントリーバッグの伝統を引き継いでいる。私がこのタイプのバッグを好むのは、伝統的なデザイン、製法にある。コットンより合繊繊維の生地を使用したバッグのほうが防水性に優れ、頑丈で軽いだろうけど、機能一点張りで惹きつけるものに乏しい。そしてファスナーやマジックテープを使っていない、という単純な理由も私にとって重要で、いわば素朴の美学と言って良いだろう。それは壊れる部分が少ないということで、道具としての本質的な価値を持っているのではないだろうか。機能を増やせば構造がより複雑になり、壊れやすく、長年の使用に耐えないだろう。そんな気がするのである。

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