2012年4月9日

大判4x5シートフィルムの自家現像

JOBO #2529n 4x5 Sheet Film Reel for JOBO 2500 Rotary Tank System

JOBO #2850 Print Drum
先月末「黒白フィルム自家現像のススメ」という一文を投稿したところ、シートフィルムの現像方法を具体的に書いて欲しいというメールが届いた。学生時代、写真工学を学んだものの、暗室作業に精通しているわけではない。だから教えを請われても返答に自信はないが、自分のやり方を書いてみようと思う。シートフィルムはバットによる「皿現像」が一番という先人の教えがあるが、私は自信がない。写真を生業にしながら軽い暗所恐怖症といったものがあり、10分以上もセーフライトなしに作業すること自体苦痛である。真っ暗闇の中でフィルムに傷をつける可能性がある。だからかつてはアルミのハンガーを使い、四角い箱型のタンクで現像していた。しかしこの方法は現像液希釈使い捨て処理には向いていない。6枚現像用タンクを使う場合、1枚でも6枚分の処理液が必要だからだ。また4x5なら何とかOKだが、8x10だと現像ムラのリスクが伴う。

というわけで明室作業、処理液のコストパフォーマンス、現像ムラ対策を勘案、JOBOのロータリタンク導入に至った。4x5の場合、写真のようなリールを使っているが、ご覧のように一度に6枚処理できる。難点はフィルム装填に熟練が必要で、一つの溝に2枚入れるといった失敗を何度か経験している。逆に言えば、フイルム2枚を背中合わせにすれば合計12枚入ることになる。しかしまだ試したことがない。さらなる問題として連続撹拌の弊害が考えられるが、他の方法との比較データを持っていないので言及は避けたい。現在一番多用している現像液はコダックのD-76で1:1希釈、すなわち水で2倍に薄め、20℃で10~15分。現像後に廃棄、停止液は使わず水洗、定着処理をしている。D-76はコダック純正を使用しているが、同社の経営破綻により、この先の供給が不透明である。富士フイルムの現像液に乗り換えること検討している。なお8x10の場合は6枚処理できるドラムがある。ただし入手困難だし、巨大らしいので導入にいたってない。プリントのドラム#2850でなんとかフィルムも処理できる。8x10が2枚、延長チューブを繋ぐと4枚処理できる。

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