2011年6月20日

フランジバックが短いミラーレス一眼カメラへの憧憬

額紫陽花(京都市北区衣笠大祓町)Fujifilm Finepix X100

二眼レフの構造
デジタルの「一眼カメラ」がトレンディのようだ。ピンホールカメラでは複眼も珍しくないが、元々カメラは一眼であった。写真術の黎明期の木製暗箱もそうだし、例の「写ルンです」も撮影レンズは1個で一眼である。それでは何故あえて一眼カメラと呼ぶのか。それは一眼レフと区別するためらしい。一眼レフは二眼レフ、つまり撮影レンズと、ミラーを介するファインダー用レンズの2個のレンズを備えたカメラと、区別するための呼び方である。一眼レフはレンズを通過した光をレフ(反射板)つまりミラー(鏡)に反射させ、アングルとピントを決める像を見るカメラのことである。それに対し一眼カメラはファインダー用ミラーがないカメラのことをいう。しかし入門用のコンパクトカメラ、あるいは高級機ライカもミラーがなく一眼である。要するに一眼カメラというのは、電子ファインダーを備えた、ミラーがないレンズ交換式デジタルカメラのことなのである。だから「ミラーレス一眼カメラ」と呼べば、光学式ファインダーを備えた一眼レフと区別し易いかもしれない。

フランジバックが短いミラーレス(下)
どうやら前書きが長くなってしまったようだ。フォーサーズ、すなわち4/3型(17.3x13mm)のセンサーを装着した、オリンパスのペンシリーズや、パナソニックのルミックス DMC-G シリーズ、そしてAPS-C(23.4x16.7mm)のソニー α NEX シリーズがこの形式を採用している。その特長はミラーがないため、フランジバック(レンズとセンサーの距離)が短く、無理のない広角レンズが設計できること。そして音や振動が少ないという利点を上げることができる。欠点はオートフォーカスのレスポンスが遅いことであろう。しかしミラーがないという魅力があるにも関わらず、ニコンやキヤノンといったトップメーカーからは今のところ出ていない。

光学式ファインダーのほうがオートフォーカスの応答が早いというのがその理由であろう。もうひとつの理由として、上記フランジバック短縮の利点を発揮するためには、マウントを変更したほうがベターである。無論アダプターを介して古いレンズを使えるようにするだろうけど、真価を発揮するためにはレンズ資産を活かすことができないというジレンマがあると想像する。特にニコンの F マウントは、変更しないゆえ支持者が多いからだ。蛇足ながら上の写真は富士フイルムの Finepix X-100 によるもの。真の意味のミラーレスの一眼カメラではないが、レンズ交換ができないものの、機能的には似ているので掲載することにした。実は新たなるデジタル針孔写真挑戦のため、ソニーの NEX-5 に食指を動かしつつある。X-100 に不満がないのは無論だが、ピンホールはレンズ交換式でないと駄目だし、フランジバックが短いことに惹かれる。導入のあかつきにはサンプル画像を提示できると期待している。

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